2015年06月25日

音コミュニケーション

地域とともに活躍する川村学園女子大学





音コミュニケーション


高齢者施設をはじめとしたグループ療法のひとつに音楽療法があります。音楽療法にも色々あり、音楽を聴く方法や演奏を取り入れた方法で、受動的音楽療法と能動的音楽療法があります。

受動的音楽療法では、静かな環境をととのえ、名曲を聴いて浸らせます。能動的音楽療法では、以下の手法があります。

@高齢者施設などで行われる唱歌の合唱など
A様々な楽器の演奏、手足を使った、簡単なリズム遊び、など
B作曲療法などです。

対象となる人たちは、健康なにとから、不登校児童、高齢者、入院患者、精神障害者等です。

高次脳機能障害者へのピアノを用いた音楽療法では、記憶障害が改善されたという報告もあります(熊本,2003)。

左半側空間無視という、頭を打つ事故の後の障害で、右側しか歯磨きできなくなった人も音楽にあわせてリズムにのって行うことで、歯みがきできるようになった例もあります(甲谷,2004)。

海外の研究では、不安、うつ病、認知症だけでなく、認知機能(作業能力、判断能力、情報処理能力)が改善し、生活の質(QOL)もよくなった報告があります(ブラックバーン,2014)。

ブラッドは、がん患者30名に集団的に作曲療法を試みて、患者の感情表現が豊かになって、リラックスできるようになり、自分らしさを取り戻せたといいます。(ブラッド,2014)。

 精神的な症状では、家庭や職場に復帰するときには、ひとつひとつの症状よりも普段の人付き合いが重要になってきます。そのためには、能動的な音楽療法の作曲療法が特に効果を発揮します。

即興を用いた能動的音楽療法の一例(簑下ら,2012による)

ウォーミングアップ
1.ウォーミングアップ後、キラキラ星、かえるの歌。
2.コップと水を用いた即興的な能動的音楽療法
1オクターブ分の8名で、それぞれの音階になるように水を入れたコップを持ち、バチで叩くことによって演奏し、コミュニケーションをとりながら即興演奏する手法です。

参加者は、スタートの人からアイコンタクトをとった人へと次のコップを叩く人を廻していき、8つ全ての音階が奏でられるように工夫します。3回繰り返すと、一定のメロディが聴こえてくるので、ピアノで伴奏をつけて楽曲を完成させます。コップを叩くリズムや回数、音階の順番を変えることである程度無限のメロディが生まれます。




         
 図1.即興的作曲療法の方法



蓑下図1.jpg










蓑下図2.jpg





   図2.音コミュニケーションを取り入れた音楽療法を実施している
健常大学生たちとピアニスト渡辺かづきさん。
トーンチャイムでアイコンタクトしながらメロディを作っていきます。



(2)につづく




文学部 心理学科 教授 簑下成子




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