2016年11月30日

アメリカ大統領選2016

地域とともに活躍する川村学園女子大学





11月に大方の予想を覆し、ドナルド・トランプがアメリカの次期大統領に選ばれました。日本でも大きく報道されたので、関心を持たれた方もいると思います。これから4回に渡り、アメリカの大統領制や選挙制、また、今回の大統領選挙を振り返ってみたいと思います。

1.大統領に関する豆知識


さてクイズです。トランプは何代目の大統領となるのでしょうか。

正解は45代目です。初代ジョージ・ワシントンが大統領になった1789年から今年で227年になりますが、この間に44人の大統領が政権についています。一方、日本では、伊藤博文が初代総理大臣となった1885年からの131年間で62人が総理大臣になりました。この数の違いは、制度の違いから生まれます。


倉林1.jpg



 
初代大統領 ジョージ・ワシントン(1789−1797)



皆さんご存知の通り、日本では議院内閣制がとられ、総理大臣は国会の多数政党の議員によって選ばれます。したがって、解散や不信任決議などにより、任期途中でやめることも少なくありません。一方、アメリカの大統領制では基本的に大統領が辞任をしない限り、任期いっぱい務めることができます。

アメリカの大統領44人の中で唯一辞任した大統領は、リチャード・ニクソンです。彼はウォーターゲートという事件に関わったとして弾劾されそうになる前に、自ら辞任したのです。  


倉林2.jpg



リチャード・ニクソン(1969‐1974)



辞任以外で、大統領が任期途中で変わる理由としては、暗殺があります。これまでアメリカでは4人の大統領が暗殺されました。ジョン・F・ケネディやリンカーンなど暗殺された大統領をご存知の方もいるのではないでしょうか。

辞任であれ、暗殺であれ、大統領が任期途中でその職から離れる場合は、副大統領が大統領になります。トランプと共に大統領選を勝ち抜いた次期副大統領マイク・ペンスは、連邦下院議員や州知事を歴任した政治家であり、政治経験のないトランプをサポートし、また、共和党の主流派とのパイプ役となることを期待されています。

また、大統領の任期は4年で、2期まで務めることができます。これは、初代大統領のワシントンが長期に渡り権力の座に就くものは腐敗していくとし、3選を固辞したということから、長い間慣習として守られてきました。しかし、1933年に大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトは、第二次大戦という有事を理由に1940年と44年の選挙に立候補し、当選します。彼はアメリカ史上唯一4選された大統領です。現在は憲法修正22条により、3選は正式に禁止されています。どんなに素晴らしい大統領でも最大8年間しかその職にとどまることはできません。


倉林3.jpg




 
フランクリン・ルーズベルト(1933‐1945)




また、大統領に立候補するには、35歳以上の合衆国内で生まれた合衆国市民であることと、14年以上合衆国内に住んでいる必要があるため、移民は大統領になることはできません。もちろん、移民でも、合衆国内で生まれた子孫であればその資格があります。今回の大統領選挙で共和党の候補者だったマルコ・ルビオはキューバ系の移民の子孫であり、ヒスパニック(中南米)系の票が期待されましたが、トランプ氏の勢いに撤退を余儀なくされました。

次回は大統領選挙の制度についてご説明します。
(画像はすべてWikipediaのパブリック・ドメインのものを利用しています)

(2)につづく


文学部 国際英語学科 講師 倉林直子







posted by 園遊会 at 13:04| Comment(0) | 祭・祀・政
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。