2017年05月25日

花祭り―誕生仏立像の諸相―(2)

地域とともに活躍する川村学園女子大学





第2回 誕生仏立像のカタチ




誕生仏立像は生まれたばかりのお釈迦さまを現していることは前回触れたとおりです。一般に誕生仏立像は10数p程度の小さいものがほとんどですが、良く見ると他の仏像とも共通する見た目の特徴、例えば髪型や頭や耳の形など、を持っています。このような見た目の特徴は何にもとづくものでしょうか。


お釈迦さまは通常の人とは異なる身体的特徴を数多く具えていたといわれています。この身体的特徴のことを「三十二相八十種好」といい、古くからインドでは悟りを開くことができる人はこれを具えて生まれてくると考えられてきました。


そして、お釈迦様の姿をあらわすためにつくられるようになった仏像にも、この「三十二相八十種好」反映されているわけです。なお、釈迦と同様に悟りを開いた存在である他の如来像も同様の特徴を具えた姿にあらわされています。


さて、この「三十二相八十種好」ですが、「三十二相」は32種類の顕著な特徴で、「八十種好」は80種類の微細な特徴と分別されています(両者には重複もあります)。

このうち、仏像にあらわされる主な「三十二相」には次のようなものがあります。



・足下二輪相・・・足の裏に千の輻の輪宝の文様がある
 

・丈光相・・・・・からだから四方に一丈の光を放つ(光背)

・毛上向相・・・・毛が上になびいて右に巻く(螺髪らほつ)

・金色相・・・・・からだがすべて黄金色に輝く

・頂髻相・・・・・頭の肉が隆起し髻のようである(肉髻にくけい)

・白毫相・・・・・眉間に白毛があり、光を放つ(白毫びゃくごう)


誕生仏立像もこの「三十二相八十種好」に則り、生後間もない時期であっても、すでに螺髪・肉髻・白毫・金色相などを具えた姿としてあらわされているのです。



真田2.jpg


誕生仏立像(東大寺)




(3)につづく


文学部 日本文化学科 講師 真田 尊光




posted by 園遊会 at 14:34| Comment(0) | 祭・祀・政
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