2012年10月24日

公的年金(2)

地域とともに活躍する川村学園女子大学




2. 公的年金への加入


(1) 公的年金への加入

@ 年金制度の体系
  我が国では、現役世代は全て国民年金の被保険者となり、高齢期になると、基礎年金の給付を受けます。(1階部分)

  民間サラリーマンや公務員は、これに加え、厚生年金又は共済年金に加入して、基礎年金の上乗せとして
報酬比例年金の給付を受けます。(2階部分)

 
  このほか、企業や個人の選択で、厚生年金基金などに加入することができます。(3階部分)

70年金制度の体系2.jpg



70年金の給付、受給者.jpg


A 被保険者(年金に加入する人)

 20歳以上60歳未満の日本に住所がある人は、すべて外国人も含めて国民年金加入の義務があります。
 国民年金の加入者は、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類に分けられます。


@ 第1号被保険者とは、次に説明する第2号被保険者でも第3号被保険者でもない人です。
20歳以上60歳未満の自営業者、農業者や学生等で、第1号被保険者の数は、
2010(平成22)年度末で、1,938万人です。


A 第2号被保険者は、厚生年金や共済年金に加入している勤労者です。ただし、勤めていても、
パートタイマーやフリーターで労働時間が通常の労働者の3/4未満の人には厚生年金制度は適用されません。
第2号被保険者の加入手続きや保険料の支払いは会社などの勤め先がやってくれます。
また、厚生年金や共済年金の保険料の中に、国民年金の保険料も含まれています。第2号被保険者の数は、
2010(平成22)年度末で、3,883万人です。


B 第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者です。勤労者の妻で専業主婦などが該当します。
保険料は、個人としては払わなくてよいのですが、
扶養している配偶者が加入している厚生年金や共済年金が
扶養されている妻(夫)の分も含めて国民年金に拠出しています。第3号被保険者の数は、
2010(平成22)年度末で、1,005万人です。


70国民年金の被保険者.jpg

B 学生の国民年金への加入

 フルタイムで働いて厚生年金等の被用者年金に加入しながら、大学の夜間学部や大学通信教育等で学んでいる人たち以外の学生は、20歳になった時から国民年金の被保険者となります。

 国民年金は、1961(昭和36)年に、勤労者が加入する厚生年金や共済年金に加入していない人たちすべてが加入する年金制度として始まりました。

このことによって国民皆年金が実現しました。

 同じ年に、医療保険でも、健康保険や共済組合に加入していた勤労者以外の人が加入する国民健康保険により、
国民皆保険が実現しました。


 しかし、1961(昭和36)年には強制加入が義務づけられなかった主なグループが2つあります。
勤労者の妻である専業主婦などや学生です。希望すれば国民年金に加入できる任意加入者として残されました。

 任意加入では、加入しなかった人が障害をもったときや離婚したときの保障にかけるため、
基礎年金ができた1985(昭和60)年の改正で、勤労者の妻である専業主婦などは、第3号被保険者として、
強制加入となりました。

 また、最後まで残っていた学生も、1989(平成元)年改正で強制加入に変更になりました。

C 学生納付特例制度


 国民年金の第1号被保険者は、国民皆年金を達成するためのいわば要となっており、
制度の組み立てから無業の人や所得が低い人が加入することになります。


このため、保険料の納付について、全額、3/4、半額、1/4と4段階の保険料免除の制度が設けられています。

 学生については、親に扶養されていることが多く、一般的には本人による収入は少ないことから、
保険料免除制度は適用されず、特別に学生納付特例制度が設けられています。


 学生納付特例制度のポイントは次のとおりです。


@ 学生本人の所得のみで審査します。
  
親や家族の所得の多寡は問いません。学生本人の年間所得が118万円―これは、アルバイトの収入で考えると、
給与所得控除を加味して年収194万円に相当します。―以下であれば対象となります。


A 怪我や病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合に、
障害基礎年金・遺族基礎年金を受けることができます。

 公的年金を受給するためには、保険料を納付していることが原則となります。

 障害基礎年金や遺族基礎年金を受給するためには、障害や死亡という不慮の事故が発生した場合に、
それまでの保険料の納付について、 

 a. その事故が発生した月の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が
   3分の2以上ある。

 b. その事故が発生した月の前々月までの1年間に保険料の未納がない。

 のいずれかの要件を満たす必要があります。

 この要件について、学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に取り扱われますので、万が一のときにも安心です。


B 学生納付特例制度の承認を受けた期間は、将来受ける年金の受給資格期間に算入され、
また、10年以内であれば、保険料の納付(追納)ができます。 


 老齢基礎年金を受けるためには、原則として保険料納付済期間等が25年以上必要ですが、
学生納付特例制度の承認を受けた期間は、この25年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれる
ことになります。


 ただし、年金額には反映されません。
 このため、10年間のうちに保険料(3年度目以降は、当時の保険料に一定の額が加算されます。)を
納付(追納)することができる仕組みとなっており、年金額に反映することが可能となっています。 


 このように、学生で国民年金の保険料―月額14,980円(平成24年度)―の納付が困難な場合には、
学生特例納付制度の承認を受けておくことをお勧めします。


 住所地の市(区)役所または町村役場の国民年金担当窓口で手続きができます。

 なお、申請は毎年必要です。


70納付と学生納付特例と未納の違い.jpg




(2)年金額

 平成24年度の年金額は、つぎのとおりになっています。



70老齢基礎年金.jpg




3 につづく


生活創造学部 生活文化学科 教授 吉武民樹





posted by 園遊会 at 19:09| Comment(0) | 生活
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